一茶釣り
メダカが“絶滅の恐れのある種”の指定を受けた。ドジョウも危ないらしい。カエルやミミズは大丈夫だろうか。トンボや蝶も少なくなった。ホタルはだいぶ以前から見かけない。先日飲み屋で琵琶湖のホンモロコを食ったが、メダカのことが気になって、子持ちモロコの苦みがかった風味がせつなかった。
メダカをダシジャコやゴマメにしたとは聞かぬがまんざら食えぬ魚とも思われぬ。試食しておくのだった。そもそも究極の釣りはメダカ釣りだと聞いている。奇岩・盆栽をあしらった水盤にメダカを放ちこれを釣る。体長約三ｾﾝﾁ。ご隠居の暇つぶし。繊細な釣り仕掛けは老眼にきつくはないか。 昔、釣り名人福田蘭童氏は、自慢の海釣り餌は秘して明かさなかったそうだ。そこで仲間が謎かけで口を割らせようとするが失敗ばかり。推測では、金魚ではないかとか、川エビの一種らしいとか、いやコンドームの短冊切りだとか…。あんがいメダカあたりが本命だったかも知れぬ。絶滅危惧種とあっては、もうメダカを釣り餌には使えない。その愛称約三千。今や子供らの知らぬ魚。
さて、ドジョウのこと、播州は三木市に居を移して約二十年。ここへ来たばかりの頃は県道沿いに“どぜうあります”と看板のある飯屋があった。看板が次第にくたびれてきて、あわてて店を訪れたが、すでにメニューから、どぜう（ドジョウ）は消えていた。こうなると今の間にカエルを釣って食っておくべきかも知れぬ。ハエ（蝿）が餌だ。ハエが“手を擦り足を擦り“できるように、やさしく針につけよう。カエルはフランスや中国ではごちそうだと聞いている。